子供の頃からアニメはよく見ていた方ですが、ここ10数年間に見たアニメを中心にベスト10を選んでみました。
1. RD潜脳調査室
SFアニメですが、全編に流れる「癒し」のテイストは秀逸です。
2. FLAG
一応、ロボットアニメに分類されますが、ドキュメンタリー風の社会派ドラマ仕立てになっていて、大人向けアニメと言えます。
3. ラーゼフォン
エヴァの二番煎じとの評価がネットでは定着している一方、「創聖のアクエリオン」をラーゼフォンのパクリとする声はあまりないようです。
個人的には、エヴァ+ライディーンがラーゼフォンで、ラーゼフォン+ゲッターロボがアクエリオンと理解しています。
4. 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 「笑い男」シリーズ
サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」の原題は「The Catcher in the Rye」、つまり直訳すると「ライ麦畑のキャッチャー」。
この小説は「笑い男」シリーズで何度も登場します。
「笑い男」のアオイは、再三、野球のキャッチャー役を演じます。アオイは施設の少年野球でもキャッチャーをやっているようで、アイテムとしてキャッチャーミットがよく登場します。
最終回では素子の投げた帽子を、アオイはキャッチャーの構えで受け、帽子をかぶり、つばを後ろにします。つばを後ろにして帽子かぶるのは、野球のキャッチャーのかぶり方です。
作者が意図的にやっているのは明らかですが、まだネットで誰も指摘してないようなので、一番乗りで”アオイ=キャッチャー作者確信犯説”を提唱します。
5. 鴉-KARAS-
タツノコプロ40周年記念作品。ストーリーはやや竜頭蛇尾の感はありますが、ビジュアルが圧巻です。またヒーローの登場シーンが寺山修司的で好感が持てます。
6. 新世紀エヴァンゲリオン
今となっては古典アニメ。難解なアニメの走りで、ブーム時は解説書まで出版されました。政府の情報操作を扱った世界観もエヴァが最初のようです。
自分の個人的な解釈ですが、”セカンドインパクト”は第二次世界大戦のアナロジーでしょう。
敗戦のショックで、日本人は”お国のため”から、”会社のため”に、己の滅私奉公先を切り替え、50年代後半から70年代前半にかけて高度経済成長を実現しました。
表面的には幸せでも、家族を犠牲にしてでもよく働くこの世代の日本人は、敗戦からある種のトラウマを背負っていたのです。彼らは、戦中派や団塊の世代でしょうか。
一方、戦中派や団塊の世代の子供たちは、戦争を全く知らない世代。物質的な不自由は経験していないものの、社畜と化した非人間的な親に育てられたおかげで、間接的に”セカンドインパクト”のトラウマを背負い、ある種のアダルトチルドレンになってしまったのです。
このアダルトチルドレン世代が大人になったのが90年代以降。トラウマの原因が分かりづらく、個々人でその症状が異なっているものの、”心の渇き”は”セカンドインパクト”を遠因とする世代的なもの。
こうしたメッセージを作者が発しているように思えてなりません。
7. パプリカ
筒井康隆原作のアニメ。主人公は他人の夢の中に入っていくサイコセラピスト。作者はサイバーパンクを意識したのでしょう。ビジュアル的に評価できる作品です。
8. 千と千尋の神隠し
宮崎駿のアニメはわりとよく見ています。作者の説明によると「油屋」は、ソープランドのメタファーとのことですが、健康ランドかスーパー銭湯をモデルにしたものだと思っていました。
日本が複数民族国家であるとする網野善彦的歴史観をベースにした「もののけ姫」の方がいろいろコメントできますが、面白かったのは「千と千尋」の方でしょうか。
9. 攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL
日本のサイバーパンク系アニメはこの作品が原点でしょう。
10. 電脳コイル
サイバーパンク物をNHKが作ったらこうなった、という感じの作品。金沢(厳密には金沢の近くにある架空の大黒市)を舞台にしたのもNHKテイストと言えます。
このアニメの悪玉は〒マークのサッチー。
郵便局と野村沙知代さんからNHKへクレームが来なかったか、勝手に心配しています。
この作品に出てくる電脳メガネは、近い将来、現実の世界で実用化されそうです。
2012年1月22日日曜日
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