文芸評論家は印象批評やテクスト論を含め、どんな方法で評論をしてもいいと思いますが、アカデミズムの研究者はあくまで科学的に、つまり論理的、客観的な事実を重視し、主観的感想は極力さけるべきだと思います。
文芸評論家の評論は自由な読書感想です。テクスト評論も可。作者のバックグラウンドの情報から評論しても可。ただしそれを読んだ読者の方でも、この評論はすばらしい、またはくだらないといった感想を自由に持てます。
研究者はデータの整理が主な仕事です。作者名と作品名、作品の発表年、作者の生年と没年およびその生涯、作品の発行部数、どんな文学賞をいつ受賞したかといったデータが重要です。
また、この小説は一人称小説、あるいは三人称小説といった明らかな客観的事実にも研究者は言及できます。
その一方で、作品が面白い、またはつまらないといった、主観的かつ曖昧な感想はできるだけ避けるべきでしょう。
作者のバックグラウンドの作品への影響について、常識の範囲内で多少言及してもいいですが、あまりにも個人的、主観的と思われる突っ込んだ意見は避けるべきです。
作家の代表作を研究者が選ぶ場合、発行部数が最大の最も売れた作品だとか、文学賞受賞の史実がある作品など、客観的データに基づいて判断すべきです。
ただし学術論文とは別に「自分が個人的に好きな作品は〇〇だ」と感想を述べることは自由でしょう。
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