2015年7月9日木曜日

「小説家になろう」にみるフリーカルチャー運動の兆し

  最近、「小説家になろう」(以下、「なろう」)にはまっている。

 素人が小説を書いて自由にサイトに投稿でき、それを不特定多数の人が「小説を読もう」で自由に読むことができる。

 ラノベ出版社がサイトに多数、広告を出しており、実質的なスポンサーのようだ。

 才能ある新人作家をサイトで青田買いできる。特にアクセス数の多い作家の作品は、出版すれば一定の確率でベストセラーになる。

 こういう意味で「なろう」はラノベ出版業界を活性化させていると言える。

 だが別の見方をすれば、「なろう」は出版業界にとってマイナス面も持った両刃の剣かもしれない。

 「なろう」のおかげで、小説は本屋で買わなくても無料で読める時代になったからだ。

 素人の作品とはいえ、探せばかなりレベルが高い作品もあり、自分はiPadにダウンロードして通勤電車の中で読んでいる。

 プロの傑作にくらべれば、「なろう」のそれはさすがにまだその域には達してないが、通勤の快適な時間つぶしになるぐらいの面白さはある。

 自分の経験では、本屋で時間をかけて選んだ本はハズレが少ないが、キオスクで電車に乗る直前に慌てて買った文庫本はハズレが多い。

 買った本にもハズレがあることを考えると、無料小説のアタリは”お得感”がある。

 難を言えば、「なろう」で面白い小説を探すのに骨が折れることだ。

 ランキング上位の小説は、あまり(自分にとって?)面白くない。

 出版社の方でわざとつまらない小説をランキング上位に挙げているのか、と思うことがある。面白い小説を簡単に検索できたら、誰も本屋で小説を買わなくなるからだ。

 フリーカルチャー運動の一環に「なろう」が寄与していると自分は思うのだが、ネットでそんな意見はまだ見つけてない。だからこれを書いた。

 今後、ラノベや小説の出版業界がどのような方向へ進むのかはわからないが、いずれにせよ、小説が無料で読める時代は歓迎すべきだと考える。

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