自己満足という言葉があります。
一般に否定的な意味で使われます。
辞書で調べると、自己満足はひとりよがりと同じと説明されていますが、私の個人的語感は以下です。
ひとりよがり <= 自己満足 <= 権威評価
つまり自己満足は権威からの評価に及ばないものの、ひとりよがりより少しましという考えです。
自己満足が権威評価とイコールになるのは、たとえばあなたが世界一権威のあるワイン評論家だった場合です。
あなたが1本2,000円程度のあるグラスワインを絶賛したとします。あなたより格下の評論家がそのワインを酷評したとしても、世間は世界最高権威のあなたの意見を尊重します。
そのグラスワインはたちまち1本30,000円に跳ね上がるかもしれません(あるグラスワインの価格がイギリスの有名なワイン評論家がほめただけで10倍以上高騰したという話は実話です)。
さて、今ワイン評論家の話をしましたが、ビンテージものの高級ワインはともかく、私たちが日常、飲んだり食べたりする飲み物や食べ物は、もっと主観的な評価でいいはずです。
自宅で自分が作った料理を食べて、自分がおいしいと感じたら、それはおいしいのです。
評論家がおいしいと判定しなければ、おいしいとは認められない、というものでもないでしょう。
自分がおいしいと思っても、他人に食べさせたらまずいと感じることもあります。
どちらが絶対正しいとか、絶対まちがっているというものでもないでしょう。
主観的な価値観、つまり自己満足で十分なのです。
私たちは自己満足は意味がないと思いがちですが、よく考えると主観的な好き嫌いで、人生の大半を選択しているかもしれません。
自己満足的な価値観はこれからの時代、少しずつ復権してくるような気がします。
2015年12月19日土曜日
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