RISCの次はARM陰謀論である。
前回のRISC陰謀論は当ブログ最長エッセーであり、自分では渾身の力作と思っていたが、アクセス数は過去最低。誰も読んでいないのだ。確かにRISCチップの定義がどうであろうと日常生活に影響ない人が世の中の99.9999・・・%以上だろう。いや、業界の人間にとっても、つまりマイコンを売る人や買う人にとっても同じだろう。RISCがただ「よいマイコン」しか意味しないとしても、別に日常業務に変化はない。だから誰も私のブログを読まないのだ。
それはともかく、前から文章にして自分でも確認したいテーマとしてRISC陰謀論があったわけであり、誰かに読んでもらうためというより、自分が書くために書いたエッセーとしてやはり書く価値があったのだ、と弁解しておこう。
そこでもう一つ、ARMにまつわる陰謀話。これもまた読むためでなく、書くためのエッセーだ。
*********
ARMのアーキテクチャを設計したのは、ARM社ではなくVLSIテクノロジー社の技術者だ、という事実は現在ではもはや企業機密でもなんでもないらしい。と言うか、2年前くらいの「トラ技」の広告にそんなようなことが書いてあった。
確かNXP社の広告だ。
「欧州の大手半導体メーカーである当社NXP(旧Philips Semiconductor)は、日本では知名度が低いせいか、当社製品をあまり買ってもらえない。だがARMマイコンでは実は当社のマイコンが世界で一番正統と言える。
実はARMを設計したVLSIテクノロジーは、現在、当社に吸収合併されている。だから当社のマイコンこそARMの本家本元である。
日本のボードメーカー、システムメーカーのみなさん、どうせARMを買うなら、本家の当社からお買い求められたし・・・・・・」と言うような趣旨の広告だった。
しかしながら、昔は”スパイごっこ”めいていた。
そもそも、90年代中盤、日本ではなぜがARM関連のプレスリリースをVLSIテクノロジーの日本法人広報部が業界マスコミに発表していた。ARM社の日本法人設立後も、しばらくそれが続いていた。
VLSIテクノロジーは当時、アップル・コンピュータ、エイコーン・コンピュータ(英)に次いでARM社の三番目の株主だった。
親会社の広報部が子会社に代わって広報発表するというのは理屈が通る。だから筆頭株主のアップル・コンピュータが広報発表するというのならわかる。
当時、アップルは創業者スティーブ・ジョブズを放出していた時期で、iPodもiPhoneもまだなかったが、日本法人はあり、マッキントッシュを販売していた。
一方、エイコーン・コンピュータは日本法人もなければ、日本市場に製品もほとんど販売していない。だからここが広報発表をするのは無理である。
だがアップルを差し置いて三番手株主のVLSIテクノロジーが、ARM社の”宗主国”のような顔をして、でしゃばってくるのはどういうわけか(つづく)。
2011年2月14日月曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿