21世紀に入るとRISCにまつわるもう一つの不文律が崩壊した。
これまでRISCは32ビット、64ビットといったハイエンドマイコンの世界の用語で、8ビット、16ビットのローエンドマイコンの世界では使わないという常識があった。
ところがマイクロチップのPICマイクロとそのライバルであるアトメルのAVRシリーズは、8ビット、16ビットにも関わらず、RISCと称されて販売されている。いずれも8ビット、16ビットではここ10数年で急速にシェアを伸ばしたマイコンだ。
ちなみにウィキペディアを見るとPICマイクロとAVRシリーズはRISCライクなマイコンではあるとした上で、正式なRISCとは認めていないような記述になっている。
こうなるともはやRISCは「よいマイコン」以上の意味はない。
RISCと名がつけば売れる。逆にRISCと謳わなければ売れない。だから猫も杓子もマイコンメーカー各社は自社製品をRISCと称して宣伝し、販売しているのである。
RISCを超える新しい技術と用語が登場し、もはやRISCがマイコンのほめ言葉でなくなったときこそ、RISCという語の本当の技術的定義が確立されるのだと思う。
だがそのときまで、RISCの意味は単なる「よいマイコン」でしかない(おわり)。
2011年2月10日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿