2014年3月29日土曜日

近未来の航空交通④ 補足

 さて、「近未来の航空交通」シリーズの補足をします。

 従来型の大型飛行機や空港はそのまま利用するとして、私が提唱する新しい航空交通はすべて無人機です。それもエアバスではなくエアタクシー、エアハイヤーです。つまりチャーター機です。
 チャーター機というと運賃が高額に思えますが、いくつかの方法で格安で運営できます。第一に無人機なのでパイロットの人件費が浮きます。第二に空港の建設費、運営費が少額です。第三に小型機なので製造、運営のコストが少額です(設計もコストダウンする方法あり)。
 もう一つ、エネルギーのコスト問題があります。石油ではなく、環境にやさしい電気やエタノールを使うことを前提としています。これは本稿では触れませんが、石油より安くできるということを前提としています。
 もともと安く建設できる空港ですが、IT化によりできるだけ無人化、省人化を進めれば、さらに運営費は安くなります。
 これらの無人機は人を乗せるために利用し、一般に物流には使いません。
 国内の独立行政法人か国際組織でサーバーを管理し、それぞれの機体が衝突しないよう、航路を調整します。機体自身はスマホやPCで予約できます。

 従来のジャンボジェット機やエアバスは船舶でたとえると遊覧船です。
 客室乗務員が御馳走を運ぶのは、到着まで時間がかかるからです。目的地にすぐ着いてしまえば、そんなサービスは不要です。一方で観光目的で遊覧船のニーズがあるのと同様、従来型飛行機もあっていいでしょう。


①無人クワッドコプター

 プロペラが四つあるヘリコプターです。ビルの屋上や公園などがヘリポートになります。ビル自体を別の目的で建設するとしたら、空港建設費が最も削減できるタイプです。
 
 電動で稼働するEV機なので、騒音も排気ガスもありません。最高速度は300km/h弱、最高飛行距離は1000km弱。
 ホテル、マンション、公民館、ショッピングセンター、駅ビル、②や③の空港ビルなどの屋上にヘリポートを建設しておけば便利です。住宅街、商業地のいずれからも利用できます。
 
 昔、仕事で東京から大阪の会社へ日帰り出張したことがあります。その1週間後、今度は栃木の住宅街にある接骨院に営業で出張しました。
 大阪の会社は新大阪駅から地下鉄で2駅か3駅ぐらいのところにありました。駅ビルか駅から歩いてすぐのビルだったか覚えていません。ただ遠距離にも関わらす、日帰り出張がそれほど大変ではありませんでした。
 一方、栃木の接骨院ですが、1時間にほとんど1本のローカル線を使ったため、大阪出張と同じくらいの時間がかかりました。
 直線距離にすれば、はるかに近いのに、この不便さはどうしたものか、と私は思いました。
 クワッドコプターなら東京から20分以内くらいに最寄駅ビルか公民館の屋上に到着するでしょう
 

②無人小型飛行艇(超音速ジェット、水陸両用)

 遠方や海外へ行くときは、まず自宅の近所のビルから空港までクワッドコプターで飛びます。次に小型飛行艇や後で述べる小型陸上機で目的地近郊の空港まで飛びます。最後に目的地付近のビルまでクワッドコプターで飛びます。こういう使い方はどうでしょうか。

 日本は島国です。全国のほとんどの都道府県が海に面しています。一つの都道府県で海岸沿いに港兼用で飛行艇用空港を複数建設すれば、全国どこからでもクワッドコプターで20分以内に空港に到着できるでしょう。さらに内陸地でも湖や河川に空港は建設できます。
 従来型空港のうち、海岸に建設してあれば、飛行艇用にも拡張工事できます。

 離島は四方に飛行艇用空港を建設することができます。離島を発展させれば本土も発展します。できるだけ離島内で生活必需物資は自給自足できるようにする一方、大量の物流は船で、人流には飛行艇を使うのはいかがでしょう。ブロードバンドさえ確保できれば、世界中どこに住んでいても情報でハンディはありません。

 ロシアにはジェット飛行艇があります。まだ超音速ジェットはないようですが、小型化すれば、1000km/hより速い飛行艇は開発できるのではないでしょうか。また水陸両用の飛行艇もあります。これは従来型空港にも離発着可能です。
 飛行艇は主に国内線を想定していますが、アジア近郊などの国際線にも使えます。


③無人小型超音速陸上機

 バスより乗用車の方がスピードが出るのと同じ原理で、ジャンボジェット機より、超音速戦闘機の方がスピードが出ます。
 一番早い機体でマッハ3くらい。地球の反対側まで約3時間で到着します。
 機体の開発費は戦闘機だと高くつきますが、旅客機にすれば、ジャンボジェット機より安くなるのではないでしょうか。
 従来型空港が使える他、小型機専用空港も建設してみてはいかがでしょう。特に飛行艇空港のない内陸部の都道府県に、最低1つ作るのです。
 建設費は高く、騒音問題などもありますが、従来型空港よりは安く、公害も少ないでしょう。
 これは遠距離の国際線専用機です。
 超音速旅客機と言えば、フランスのコンコルドを思い出します。ボーイング社のジャンボ機に比べ、事故率が高いせいでコンコルドは生産中止かつ営業中止になったような感じがします。フランスではコンコルドにかわってエアバス社がスピードの遅い豪華旅客機を製造しました。私はこの流れを正反対にしたいと考えます。コンコルドより小型で高速のエアタクシー、エアハイヤーを開発するのです。ただし事故率はジャンボ機より低くしなくてはなりません。


④無人ティルトローター機

 スピードや飛行距離はクワッドコプターの2倍です。積載量によっては、短い滑走路が必要とのことで、クワッドコプターのヘリポートより大型のヘリポートが必要かもしれません。
 ただ将来的にはクワッドコプターを淘汰する交通システムになるかもしれません。
 墜落ばかりしているオスプレイのせいでティルトローター自身に悪印象を持っている人もいるかもしれませんが、国産の安全なテイルトローターを開発するのです。
 技術的に進歩すれば安全なティルトローターも可能と考えます。
 東京から関東圏内がクワッドコプター、名古屋、新潟、仙台がティルトローター、大阪が新幹線、北海道、九州、沖縄、台湾、朝鮮半島、ロシアがジェット飛行艇、欧米が超音速陸上機、という棲み分けができるかもしれません。





2014年3月23日日曜日

資本主義、共産主義を超えて④

4. オープンソースな自給自足技術とまとめ

 さて、ここでクルーソー主義の原点に戻ります。

 もともとクルーソー主義では、自給自足で原始生活でなく、現代人の普通の生活を実現することを目的としていました。
 自給自足を実現するためには、”自給自足工学研究会”のような研究組織が必要です。この研究会では、衣食住、家具、家電、日用雑貨、上下水道、エネルギー、情報、医療、防衛などの生活必需分野で、一人で生産する技術を模索します。また研究成果はできるだけオープンソースにして、設計情報、製造情報、生産ライセンスなどを共有します。
 
 共産主義は生産手段の共有を謳いました。クルーソー主義では生産情報(設計情報、製造情報、生産ライセンス)の共有を謳います。

 自分で生活必需物資を確保できれば、私たちは誰からの支配からも逃れることができます。もう一つ、略奪者から身を守る治安維持能力も必要ですが、これは原則として政府に任せます(ただしセルフディフェンスという言葉が英語にはあることは覚えておくべきでしょう)。

 都市国家の考えは個人の自給自足を補完するものです。個人の完全な自給自足は難しいなら、一つの市町村単位でそれを実現します。この場合、個人が市町村に支配されないために、直接民主制が有効です。
 またクルーソー主義はリバタニアリズムが基本です。つまり個人の生活に行政は極力、口を出しません。その一方で、個人を直接、間接支配する可能性のある巨大組織を、政府は厳しく監視します。巨大組織に対して政府はリベラリズムで対峙します。

 クルーソー主義社会を実現するために、もう一つ重要なのが、政府が国民に対して情報操作できない仕組みを作ることです。法律でプロパガンダを禁ずることも有効かも知れません。でもそれだけでは不十分です。ネットを最大限利用し、国民1人1人が政府の情報操作と戦っていく姿勢が必要です。

*********

さて、以上がクルーソー主義の概略です。

お読みいだいたみなさんのご意見をコメントいただけたら幸いです。



資本主義、共産主義を超えて③

3. 都市国家と直接民主制

 クルーソー主義の第三の柱が地方分権です。

 警察、軍隊といった治安維持サービスは国が提供すべきですが、それ以外のすべての行政サービスを原則として市町村などの基礎自治体が提供します。つまり道路や橋、上下水道、エネルギーなどの社会インフラを基礎自治体が建設するのです。
 
 産業の規制や助成も基礎自治体が担当します。ただし規制と助成はできるだけ少なくすべきです。

 行政だけではありません。生活必需物資の大半を基礎自治体内で自給できるようにするのです。一つの市内にあらゆる分野の生活必需物資の製造業を誘致するのです。いわば、都市国家です。

 アイスランドは人口30万人で国連に加盟する独立国家です。国家とは、もともとそれだけの少人数で運営できるものなのです。かつてドイツでは一つの市が独立国家でした。

 さて、市が都市国家になったところで、市民が直接、政治に参加します。直接民主制です。

 市民が当番制で市議会議員になってもいいし、市の人口が少なければ、市民全員がネットなどで市議会に参加する方法もあります。また公務員はこれらに参加できない、という制度でもいいでしょう。

 市議会での一般市民の役割は、無駄な税金を取られないよう、行政を監視することです。これまで”箱物の建設”や”お祭りの運営費”の名目で、市民は有無を言わさず税金をむしり取られてきました。これに対抗する手段として、市民は市議会に参加するのです。

 また市長や市議会議員に立候補するための供託金も、ゼロにするか、十分低くすべきでしょう。これにより、経済的に貧しい人でも公職に立候補できるようになります。 

資本主義、共産主義を超えて②

2. リバタリアニズムとリベラリズム

 さて、クルーソー主義の政治的側面について説明します。

 米国で政治的イデオロギーについて議論する場合、リバタリアニズムとリベラリズムが2大潮流になるようです。

 リバタリアニズムは他者の権利を侵害しないかぎり、政府は国民の生活に干渉すべきでない、という思想です。治安を維持するために警察がいて、殺人や窃盗は罰せられますが、こうした犯罪の取り締まり以外は自由です。

 これに対し、リベラリズムは修正資本主義です。共産主義とは違い、私有物は認められますが、富を公正に分配すべく、政府が国民の経済や生活に細かく干渉します。

 クルーソー主義は第一にクルーソー主義的社会実現のためにリベラリズムを採用します。第二に政府の意思決定に影響力を及ぼすあらゆる巨大組織に対してもリベラリズムを採用します。一方、そうではない一般の国民に対してはリバタリアニズムを採用します。

 ここで言う巨大組織とは大企業のような民間組織、宗教法人や学校法人などの非営利組織、第三セクターのような半官半民組織、独立行政法人のような国営組織を指します。これらの組織は必要以上に巨大化したら、原則として政府の力で解体または縮小します。
 解体や縮小がふさわしくない場合は、その組織が政府を支配しないよう警戒します。

 また政府自身も小さくすることが望ましいのです。

 一方で、政府を動かすほどの資金はないが、働かなくても遊んで暮らせる人に目をつけ、高い税は取りません。彼らに対して政府はリバタニアニズムで対応します。

 本来、民主主義は公正な選挙で政治家が選ばれるべきです。政治家は世のため人のために貢献しようという志を持った人がなるべきです。

 ところが豊富に資金を持った巨大組織が政治家と癒着し、政治家を支配しているのが、今の社会の現実です。こうした状況では政治家は世のため人のためではなく、スポンサーである巨大組織のためにしか働きません。

 贈収賄の規制の法律をいくら作っても効果はありません。巨大組織の存在そのものが問題なのです。

 では巨大組織、たとえば世の中から大企業がなくなり、中小零細企業だけになっても、国民は現在の生活や消費活動を維持できるのか、と疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。

 その質問に対する私の回答はこうです。100%ではないが、70~80%イエス。クルーソー主義の究極的姿は、あらゆる製造業で、1人の工場オーナー労働者が生産できる社会です。

 70~80%がイエスと言うのは現時点の生産技術を踏まえた数字です。最終的に存続すべき巨大組織は残るかも知れませんが、生産技術を開発すれば、100%イエスに近づくことも可能だと信じます。

資本主義、共産主義を超えて①

 これまでの政治、経済、社会の仕組みが国内的にも世界的にも行き詰まり、何か新しい仕組みが必要だと感じている人は多いと思います。
 
 これから私が提唱する新しい仕組みを仮にクルーソー主義と名付けましょう。クルーソー主義のクルーソーとはロビンソン・クルーソーから来ています。つまり自給自足型経済の思想です。

 分散型資本主義という思想が最近提唱されてます。クルーソー主義は一面的にはこれに近いかもしれませんが、別の面では対極的かもしれません。

 もしクルーソー主義よりいい名前があれば、どうかコメントで私に提案してください。

1. 資本主義、共産主義の次にくるイデオロギー

 さて、クルーソー主義の最大の特徴は、生産手段のあり方にあります。
 
 資本主義は、少数の資本家が工場(生産手段)を所有し、多数の労働者が資本家の命令で働かされるという経済モデルです。労働者が稼いだ富は資本家から搾取されていました。

 一方、共産主義は労働者が工場(生産手段)を共有する、という経済モデルです。

 私に言わせれば、共産主義は資本家が政府の役人に変っただけの疑似資本主義です。本当に工場を所有しているのは労働者ではなく政府の役人たちです。労働者は自らの意志というより、工場所有者たる政府の役人の命令で働かされ、生産物は工場所有者たる政府の役人に搾取されていました。

 これに対し、クルーソー主義は、労働者各人が工場(生産手段)を丸ごと所有、または私有する、という経済モデルです。

 そして私有物たる工場で働くのは、原則としてオーナー労働者1名。オーナー労働者は会社で言えば、社長兼平社員です。誰かの命令で働かされるのではなく、自分の意志で働きます。今日、仕事をサボりたければそれも自由。働きたくなったら働けばいいのです。

 クルーソ主義経済では、生産された製品の1部または全部をオーナー労働者が消費し、残りを転売します。

 工業を農業に、工場を田畑に置き換えて考えてみると、わかりやすいでしょう。地主が小作人を働かせ、年貢を搾取するのが資本主義農業。旧ソ連のソホーズ、コルホーズが共産主義農業。自給自足の自作農がクルーソー主義農業、ということになります。

2014年3月21日金曜日

ビットコインは古い通貨、真に新しい通貨とは

ビットコインは本当に新しい通貨でしょうか?

私にはどうもそうは思えません。悪い意味で従来型の通貨だと思います。

おそらくユダヤ金融資本が考え出した、金融詐欺だと思います。

とりわけ日本から金を搾取することが、ビットコインの目的ではないでしょうか。

ところで新しい通貨とは、一言で言えば

ユダヤ金融資本の支配下から逃れている通貨」です。

もう少し具体的には、以下の性質を持っているべきです。


1.政府所有かつ政府管掌の中央銀行が発行する銀行券

2.地域限定の流通性の悪い通貨
(ただしその地域で生活必需物資の自給率は高い)

3.マネーゲームに適さない(金融機関を過度に大きくさせない)

4.金本位制、または固定相場制への回帰


たとえばかつて小渕総理が地域振興券を発行しましたが、

これなどは上記2に該当する新しい通貨です。おそらく3にも該当します。

リビアの中央銀行は完全に政府が所有しています。

したがってこの国の通貨は1に該当します。

またカダフィーが金本位制のアフリカ共通通貨を作ることを提唱していました。

これは1、2、4に該当します。

米国のフードスタンプはいわば生活保護ですが、

これは地域振興券と同様、2に該当します。

生活保護でなく、経済的に自立した状態で生活必需物資の消費の多くに

地域振興券やフードスタンプが使われるとしたら理想的です。

ところでユダヤ金融資本の支配下から逃れるには

以下の政策が有効でしょう。

①中央銀行を政府所有にし、金本位制の通貨を発行すること

②地域(そして国家)の生活必需物資の自給率を高めること

③地域振興券を発行し、国民はできるだけ通貨を使わず消費できること

④メガバンクでなく、地域の信用金庫が国民のメインバンクになること

⑤できるだけ企業を上場しない

⑥すべての組織はできるだけ小規模にする

⑦未上場企業の相続税は撤廃または安くする

⑧マネーゲームの収益には税金をかける

2014年3月9日日曜日

勲章不要論

勲章は原則として廃止すべきである、というお話をします。

ノーベル賞、文化勲章、国民栄誉賞・・・・。何らかの形で公的資金を使う勲章は廃止すべきです。

憲法では思想の自由が保証されていますが、公的機関が勲章を誰かに与えることは価値観の押し付けや何らかの情報操作が含まれています。

勲章の政治利用について考えてください。たとえばノーベル平和賞は中東問題でアラブ側でなく、イスラエル側に有利な仕事をした人に与えられます。

私に言わせれば、ある意味、世界平和と真逆の活動した人がノーベル平和賞を受賞しているのです。イスラエルはパレスチナ人を含め、多くのアラブ人を殺戮しています。

自然科学系の賞は政治利用と直接関係ないように思われますが、新エネルギーの開発研究は石油メジャーの妨害でなかなか日の目を見ません。

また政府やマスコミがスポーツ選手を褒め称える場合は、3S政策、あるいは愚民化政策について警戒する必要があります。この世で本当に役に立つ仕事は生活必需物資の”ものづくり”です。スポーツ自体は何の生産性もありません。

勲章のための公的資金は、生活保護など社会的弱者の福祉政策の資金に回すべきです。

一方、民間企業が公的資金を使わず、誰かを表彰するのは自由です。たとえば雑誌が懸賞論文や懸賞小説を公募し、当選者に賞金を与えるのは、公的資金でなく、雑誌の出版社の費用なので問題ありません。
先ほどのスポーツ選手の件ですが、これも民間企業がスポンサーになって表彰するのは問題ありません。
また言論の自由ですから、ジャーナリストが誰かを評価したり、批判したりするのは自由です。

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みなさんは集会が好きでしょうか。また集会で他人が長々とほめられているのを聞いているのは楽しいでしょうか。

私の答えはどちらもNOです。集会は大嫌い。他人がほめられている現場に立ち会うのもいい気分はしません。

では自分がほめられるのはどうでしょう。確かに自分がほめられるのはうれしいものです。

そうは言っても、たとえば自分が勲章を受章した場合、仰々しい集会が開かれ、偉い人が長々と口上を述べ、長時間儀式に付き合わされた上で表彰される、というのも、たとえどんなに名誉なことでも私には苦痛です。

一言、「あなたはすばらしい」とだけ言ってもらえる方が、私はうれしいです。

世のため、人のためになる仕事を自分がした、と実感できるのはうれしいですが、政治家や役人からほめられるためにやったのではない、という思いもあり、勲章はありがたくありません。

こうしたことから、私は勲章は不要だと考えます。






2014年3月8日土曜日

行政と産業のダウンサイジング

 ダウンサイジングをキーワードに、これまで何度も同じことを書いてきましたが、もう一度まとめます。これからの社会はこのようにしていくと望ましい、と思います。
 なお、ここで意味するダウンザイジングとは、組織のヒト・モノ・カネを縮小する、という意味です。組織の従業員の数が減れば、人件費が浮くため予算が減ります。また授業員が働く建屋の数や大きさも縮小できます。建屋以外に機械などが減ります。そうなるとまた予算が減ります。
 わかりやくす言えば、これまで大企業が担っていた産業を中小零細企業に、中小零細企業が担っていた産業を個人事業が担うということです。
 さらにこれは消費者がこれまで不可能だった分野で自給自足ができるようになる、ということを意味します。

1.行政のダウンサイジング
 東京一極集中を是正すべく、まず首都機能を福島あたりに移転すべきでしょう。
 国家は防衛、警察、外交、諜報といった治安維持サービスのみ国が行い、他のほとんどのサービスを市町村などの基礎自治体に移行します。
 税金の徴収の仕方も基礎自治体がまず大半の予算を受け取り、そこから国が徴収するというやり方がいいでしょう。
 道や橋を作ったりする社会インフラはこの基礎自治体が行い、いわゆる箱物は極力減らします。
 また産業はできるだけ民間に任せ、規制や助成は減らします。
 都市国家のように、基礎自治体内で生活必需物資の高自給率を目指します。県の行政は原則不要ですが、市町村単独で生活必需物資が賄えない場合、近隣ブロック地域で生活必需物資を自給できるようにします。もちろん国全体での高自給率も重要です。
 また市議会議員の当番制など、基礎自治体は直接民主制にします。当番制の市議会議員の主な役割は、何かを企画することでなく、政府から無駄な税金をとられないよう見張ることです。

2.マスコミのダウンサイジング
 大手新聞社、地上波テレビ局、大手通信社を解体します。政府は広報発表するだけで、情報操作してはいけない、という法律を作るべきです。
 ネット配信のよるオンデマンド、あるいはストリームの実況中継で、テレビ局、ラジオ局の全サービスが可能です。またブログを使えば新聞のサービスが可能です。マスコミは当面は地方新聞社や地方テレビ局が、将来的には個人事業者や零細企業の配信者、ブロガーが主流となります。
 一方、ネット配信のインフラであるサーバーは行政が確保する必要があります。またグーグルマップ、ストリートビュー、グーグルアースなどの仕事は行政がやるべきでしょう。定点カメラ、人工衛星からのデータを公開して、実況で世界中の屋外の様子を公開すると便利です。

3.サービス業のダウンサイジング
 娯楽、教養に関するサービス業を行政は優遇すべきではありません。
 警察、医療、清掃・ゴミ処理以外、生活必需サービスといえるサービスはほとんどありません。たとえば行政が規制すると新しい”士業”が生まれることがあります。こういう規制は極力、避けるべきです。弁護士と行政書士、税理士、会計士は分けるべきでしょうか。
 士業を産業として大きくすべきではありません。大切なのは”モノづくり”です。
 飲食店もサービス業と考えるなら、全国チェーン展開する大企業を解体し、ファミレスほどの店舗面積を持つ家族・個人経営の飲食店を中心にすべきです。回転寿司では客席のパネルから注文をとり、ベルトコンベアーで寿司を運びます。このやり方でホール係の人数を減らせます。また厨房係も調理の機械化、ロボット化で、人数を減らせます。
 つまり外食産業は家族・個人経営の店が主流になるべきです。
 
4.製造業のダウンサイジング
 娯楽品、贅沢品の製造業を行政は優遇すべきではありません。
 電機産業は半導体が大企業、家電などシステムメーカーが中小企業になります。また自動車のEV化により、自動車メーカー自体も中小企業になります。大手自動車メーカーの工場はこれらファブレスメーカーの下請けや、フレーム製造など、部材メーカーになります。
 バブル時代、日本にビールメーカーは4社しかありませんでした。現在では発泡酒まで含めると数百社あります。電機メーカー、自動車メーカーといった経済の中核産業で同じことが起こるのです。
 建設業はこれまで行政の箱物を建設していました。これからは国民向けに、”うさぎ小屋”でない大きさで、冬も寒くない外断熱方式の住居を中心に建設すべきです。
 一極集中をやめれば、地代が安くなり、さらに国民は楽に住居を手に入れやすくなります。
 マンションと戸建の両方が考えられます。戸建に関してはホームセンターでDIY関連製品を開発し、自作PCのように、素人が自分の家を建てられるようになると、上物の価格が下がります。
 
5.流通業(運輸以外)のダウンサイジング
 商社や貿易会社はネット通販のおかげで最もダウンサイジングできる産業です。すでに変化が起きています。倉庫業は個人商店でも利用できる格安料金でフルフィルメント・サービスを提供すべきでしょう。自動車販売会社は特定のメーカーに縛られずマルチディーラーに。
 スーパー・マーケットはセルフレジでレジ係の人数を削減、コンビニは店主の希望により、フランチャイズのではなく、オリジナルブランドの看板や商品を提供できまるのが望ましいです。
 ショッピングセンターの建屋は行政が建て、上部にマンションを併設し、マンション入居者限定で店舗を格安で販売または賃貸するのはいかがでしょう。大手傘下のチェーン店舗でなく、シャッター街の個人商店がここに入るのです。 

6.運輸のダウンサイジング
 生活必需物資の国全体での自給率、さらには地方自治体での自給率が高まれば、物流は減ります。また在宅勤務や近距離勤務で通勤の人流も減ります。
 またクワッドコプター、ティルトローター、VTOL、飛行艇などの新航空システムを使えば、既存の運輸システムはもちろん、運輸業全体のダウンザイジングの他、社会インフラの建設費、維持費が削減できます(直前の本ブログを参照)。

7.金融のダウンサイジング
 各種産業がダウンサイジングするのに伴い。産業の中心がメガバンクである必要はありません。地域の信用金庫が普通の国民のメインバンクになるでしょう。上場する必要のない企業はできるだけ未上場にし、証券会社もダウンサイジングします。

8.非営利団体のダウンサイジング
 宗教法人、学校法人、病院法人、第三セクターなどは、いずれもダウンサイジングすべきです。学校は通信教育にすれば建物が不要になります。病院は外科手術に必要な設備を完備するために、ある程度の建屋は必要でしょうが、通常の問診ならネットによる在宅医療でも可能ではないでしょうか。
 宗教法人は最も危険です。これまである種の宗教法人は非課税特権を利用して麻薬シンジケートのマネーロンダリング用地下銀行として利用されていました。政治を動かすほどの資金力を持った宗教団体は解体・縮小すべきでしょう。
 第三セクターは①縮小・閉鎖する、②役所と一体化する、③国から基礎自治体の管轄にする、などの措置でダウンザイジングすべきでしょう。
 これらの法人は一般企業と同じ税率で課税すべきです。
 暴力団など非合法組織は解体し、諜報活動の下請民間企業にすべきでしょう。またパチンコや風俗などの娯楽産業や、脱法ドラッグの一部を合法にして製薬メーカーにすべきでしょう。

10.スポーツ娯楽産業のダウンザイジング
 公営ギャンブルは廃止。音楽や映画はアマチュアが簡単に創作できるツールが発達し、相対的にプロが衰退します。プロスポーツもスポンサーとなる大企業がなくなり、衰退します。インディー団体のプロレスのような、小規模な興業がメインとなるでしょう。

11.農林水産業のダウンサイジング
 転売でなく、一部または全部が自給自作の兼業農家を増やし、国民の平均的なライフスタイルとします。生活費は自営の個人事業もしくは、週2~3日程度、会社で働いて稼ぎます。通勤地は自宅近郊か在宅勤務で、通勤地獄はありません。
 水産業では、国が国際社会に働きかけ、捕鯨をもう一度盛んにします。 


2014年3月5日水曜日

近未来の航空交通③

20xx年
 
 あなたは北越谷の複合ビルマンションに住む商社マン。
 大宮にある本社には2週間に1度、出社すればよく、それ以外のウイークデーは、自宅のPCで作業をするか、取引先に直出直帰で出張する。
 業務連絡は上司にメール。営業会議はスカイプ。自宅の書斎ですべてこなしている。
 朝、6時に起床したあなたは、シャワーを浴びた後、スーツに着替える。鞄の中を確認し、玄関から出ようとすると、背後から妻の声。
「あなた、これ」
 おにぎりが入った弁当箱だ。
「朝食は食べなさいよ」
 あなたは無言で受け取ると鞄に詰め、外へ出た。時刻は7時10分前。
 エレベーターで屋上に上ると、昨日、スマホで予約した無人クワッドコプターはもう着いていた。
 あなたは座席に座る。弁当箱からおにぎりを出し、頬張ろうとするともう離陸していた。
 台場空港に到着したのは、それから約10分後。ちょうどおにぎりを食べ終えたところだった。
 本当は羽田か成田へ行きたかったのだか、予約がいっぱいとのこと。
 最終目的地はニューヨークのXビルだが、自宅から最速で到着するルートをサーバーが検索してくれた。
 だから多分、間違いないだろう。
 台場空港は飛行艇専用の海上空港だ。
 無人出国手続き装置はわずか30秒で通過。手荷物検査を同時に行ったようだ。
 あなたは予約してある超音速ジェット飛行艇の無人ハイヤーをさがし、桟橋から搭乗した。5人まで乗客が載れるタイプだったが、もちろん客はあなた一人だ。機内にはトイレもついている。
 ハイヤーが離陸したのは7時20分。
 ハイヤーの中で有料映画を見て約3時間過ごす。
 日本時間で10時半前ぐらいにJFK国際空港に到着。無人ハイヤーは水陸両用飛行艇で通常の陸上機向空港ではタイヤを出して着陸する。
 無人クワッドコプター乗り場は、無人入国手続き装置を通過するとすぐ見つかった。
 大空港だけに乗り場は混んでいた。10分ほど待った後にようやく乗れた。
 すると今度は5分も経たないうちにXビルの屋上に到着。
 取引先の企業Y社は50階建Xビルの30階にあった。
 あなたは34階で降り、喫茶店で時間をつぶす。
 日本時間11時少し前にあなたはY社の受付嬢に名刺を渡す。
 応接室に通され、Y社の担当者と商談すること1時間弱。
 再びXビルの屋上に上り、クワッドコプターでJFK国際空港に戻ってくる。
 タブレットPCで上司に業務報告を済ませると日本時間で12時を回っていた。
 無人ハイヤーで日本へ帰国。ただ今度は寄り道をしたくなった。
 無人ハイヤーのパネルで行先を変更できる。
 妻のおみあげにうなぎパイを買って帰ろうと思いついたのだ。
 浜名湖水上空港は日本時間15時半に到着。空港から無人タクシーで繁華街のデパートまで行き、うなぎパイを買う。
 デパートの屋上がティルトローター乗り場になっているとはラッキーだった。
デパートから南越谷駅のヘリポートに着くまで30分はかからなかった。JR駅のほとんどは必ずティルトローターの発着所を屋上に用意している。
 あなたは東武伊勢崎線の無人モノレールに乗る。二駅で北越谷。駅と複合ビルマンションは続いているが、自宅に帰るまで、結構歩かされるのが難点だった。
「おかえりなさい。遅かったわね」
 マンションに戻ったあなたはうなぎパイを妻に渡す。時刻は17時半だった。

********

いかがでしょうか。ニューヨークの日帰り出張。これは極端な例でほとんどSFですが、これに近い状況が近い将来可能だと信じます。


 
 

近未来の航空交通②

 さて、私が提案する近未来の航空交通ですが、なぜ安い運賃で営業できるかを説明しましょう。

①ドローン(無人機)なので操縦士の人件費が削減できる

②空港やヘリポートなど、航空機の発着所の建設費、維持費が格安

③②の職員が無人または少人数なので人件費が削減できる

④小型航空機なので、ジャンボジェット機にくらべ、機体の製造費、維持費が格安

⑤④はさらに自作PCと同じ方法論で安く製造できる

⑥他の既存の交通インフラのいくつかが不要になり、その維持費が削減でき、行政側はこの
余った費用を新航空交通事業に回せば、さらに運賃値下げに寄与できる


 ②について説明が必要でしょう。
 飛行艇の空港は船舶の港のようなものです。陸上機の空港にくらべ、建設費は10分の1と試算されています。ただしこれは大型飛行艇の離発着を想定した場合でしょう。小型飛行艇限定の空港ではさらに安くできるはずです。
 飛行艇の空港は海岸沿いに建設する他、内陸部では湖や河川、運河に建設可能です。
 1人乗りの超小型飛行艇専用にすれば、競艇場を改良しても可能かもしれません。
 また陸上機でも戦闘機なみの小型飛行機専用ならば、かなり小さい空港が可能でしょう。
 クワッドコプターにおいてはビルの屋上や公園がヘリポートになります。ティルトローターの場合は、やや大きめのヘリポートが必要になるでしょうが、これも空港建設にくらべれば、ゼロに等しいでしょう。

 また⑤について説明しましょう。
 自作PCが10万円程度で作成できるのは、部材が標準化され、量産されているからです。またそれ以前にハードウェアの設計がオープンソースになっていて、設計開発費がゼロというのも大きな要因です。オープンソースハードウェアと部材の標準化。この二つでクワッドコプターや飛行艇は安く製造できます。
 ただし航空機の場合、安全基準を満たすための各種テストにパスしなくてはなりません。自作PCと違い、この費用が製造費を押し上げるかもしれません。行政が無駄な規制をやめれば、このへんは解決するかもしれません。

 またクワッドコプターに関してはEV機であり、騒音も小さく、環境問題もあまりないと思われます。電気エネルギーなので、固体核融合などの技術が確立されれば、コストも激安で済むでしょう。ただしこれは本稿とは別のテーマなので、別の機会に説明します。


近未来の航空交通①

 インターネットの発達で、世界中の情報を入手したり、世界中に情報を発信したりすることが簡単にできるようになりました。しかもほとんど費用はかかりません。
 一方、情報だけでなく、物や人も情報のように世界中に自在に行き来できないものか。そう考える人も少なくないのではないでしょうか。
 アマゾンではクワッドコプターで商品を空輸するサービスを計画しています。
 日本のメーカーは一人乗りドローン(自動運転)ヘリコプターを開発しました。

 基礎自治体内で生活必需品の自給率を高め、足りない部分を都道府県内で補い、それでも足りない部分を国内で補えば、物流は減らせると思うのです。
 また輸出入もできるだけ近隣の東アジア内で行えば、物流は減らせます。
 電力のスマートグリッドを物流向けに構築すれば、さらに物流の無駄は省けるでしょう。
 同様に人間の移動においても無駄を省けば、交通量は減ります。
 東京一極集中を是正したり、在宅勤務を増やしたり、大企業中心から中小零細個人事業を中心とした政策へ転換すれば、通勤地獄は自然と解消されると思います。

 さて、こうした無駄を省いた後で提案したい交通システムがドローンのクワッドコプターです。
 自動車には道路、電車には線路、船には港、飛行機には空港というインフラを建設しなくてはなりません。これらの建設費や維持費は膨大です。
 一方、ヘリコプターなら簡単です。たとえばビルの屋上にヘリポートを作ればいいのです。
 あるヘリコプターの仕様は速度285km/h、航続距離964kmです。
 さらに軍用ティルトローターのオスプレイですとスピードも航続距離も約2倍になります。
 これに超音速ジェット機、VTOL、水陸両用ジェット飛行艇などの既存の航空技術を組み合わせれば、地球上のあらゆる海外出張が日帰りで可能になると思うのです。
 しかも運賃は新幹線程度。騒音などの環境問題、エネルギー問題もすべて解決済。
 以降はもう少し具体的に説明していきます。