2014年3月29日土曜日

近未来の航空交通④ 補足

 さて、「近未来の航空交通」シリーズの補足をします。

 従来型の大型飛行機や空港はそのまま利用するとして、私が提唱する新しい航空交通はすべて無人機です。それもエアバスではなくエアタクシー、エアハイヤーです。つまりチャーター機です。
 チャーター機というと運賃が高額に思えますが、いくつかの方法で格安で運営できます。第一に無人機なのでパイロットの人件費が浮きます。第二に空港の建設費、運営費が少額です。第三に小型機なので製造、運営のコストが少額です(設計もコストダウンする方法あり)。
 もう一つ、エネルギーのコスト問題があります。石油ではなく、環境にやさしい電気やエタノールを使うことを前提としています。これは本稿では触れませんが、石油より安くできるということを前提としています。
 もともと安く建設できる空港ですが、IT化によりできるだけ無人化、省人化を進めれば、さらに運営費は安くなります。
 これらの無人機は人を乗せるために利用し、一般に物流には使いません。
 国内の独立行政法人か国際組織でサーバーを管理し、それぞれの機体が衝突しないよう、航路を調整します。機体自身はスマホやPCで予約できます。

 従来のジャンボジェット機やエアバスは船舶でたとえると遊覧船です。
 客室乗務員が御馳走を運ぶのは、到着まで時間がかかるからです。目的地にすぐ着いてしまえば、そんなサービスは不要です。一方で観光目的で遊覧船のニーズがあるのと同様、従来型飛行機もあっていいでしょう。


①無人クワッドコプター

 プロペラが四つあるヘリコプターです。ビルの屋上や公園などがヘリポートになります。ビル自体を別の目的で建設するとしたら、空港建設費が最も削減できるタイプです。
 
 電動で稼働するEV機なので、騒音も排気ガスもありません。最高速度は300km/h弱、最高飛行距離は1000km弱。
 ホテル、マンション、公民館、ショッピングセンター、駅ビル、②や③の空港ビルなどの屋上にヘリポートを建設しておけば便利です。住宅街、商業地のいずれからも利用できます。
 
 昔、仕事で東京から大阪の会社へ日帰り出張したことがあります。その1週間後、今度は栃木の住宅街にある接骨院に営業で出張しました。
 大阪の会社は新大阪駅から地下鉄で2駅か3駅ぐらいのところにありました。駅ビルか駅から歩いてすぐのビルだったか覚えていません。ただ遠距離にも関わらす、日帰り出張がそれほど大変ではありませんでした。
 一方、栃木の接骨院ですが、1時間にほとんど1本のローカル線を使ったため、大阪出張と同じくらいの時間がかかりました。
 直線距離にすれば、はるかに近いのに、この不便さはどうしたものか、と私は思いました。
 クワッドコプターなら東京から20分以内くらいに最寄駅ビルか公民館の屋上に到着するでしょう
 

②無人小型飛行艇(超音速ジェット、水陸両用)

 遠方や海外へ行くときは、まず自宅の近所のビルから空港までクワッドコプターで飛びます。次に小型飛行艇や後で述べる小型陸上機で目的地近郊の空港まで飛びます。最後に目的地付近のビルまでクワッドコプターで飛びます。こういう使い方はどうでしょうか。

 日本は島国です。全国のほとんどの都道府県が海に面しています。一つの都道府県で海岸沿いに港兼用で飛行艇用空港を複数建設すれば、全国どこからでもクワッドコプターで20分以内に空港に到着できるでしょう。さらに内陸地でも湖や河川に空港は建設できます。
 従来型空港のうち、海岸に建設してあれば、飛行艇用にも拡張工事できます。

 離島は四方に飛行艇用空港を建設することができます。離島を発展させれば本土も発展します。できるだけ離島内で生活必需物資は自給自足できるようにする一方、大量の物流は船で、人流には飛行艇を使うのはいかがでしょう。ブロードバンドさえ確保できれば、世界中どこに住んでいても情報でハンディはありません。

 ロシアにはジェット飛行艇があります。まだ超音速ジェットはないようですが、小型化すれば、1000km/hより速い飛行艇は開発できるのではないでしょうか。また水陸両用の飛行艇もあります。これは従来型空港にも離発着可能です。
 飛行艇は主に国内線を想定していますが、アジア近郊などの国際線にも使えます。


③無人小型超音速陸上機

 バスより乗用車の方がスピードが出るのと同じ原理で、ジャンボジェット機より、超音速戦闘機の方がスピードが出ます。
 一番早い機体でマッハ3くらい。地球の反対側まで約3時間で到着します。
 機体の開発費は戦闘機だと高くつきますが、旅客機にすれば、ジャンボジェット機より安くなるのではないでしょうか。
 従来型空港が使える他、小型機専用空港も建設してみてはいかがでしょう。特に飛行艇空港のない内陸部の都道府県に、最低1つ作るのです。
 建設費は高く、騒音問題などもありますが、従来型空港よりは安く、公害も少ないでしょう。
 これは遠距離の国際線専用機です。
 超音速旅客機と言えば、フランスのコンコルドを思い出します。ボーイング社のジャンボ機に比べ、事故率が高いせいでコンコルドは生産中止かつ営業中止になったような感じがします。フランスではコンコルドにかわってエアバス社がスピードの遅い豪華旅客機を製造しました。私はこの流れを正反対にしたいと考えます。コンコルドより小型で高速のエアタクシー、エアハイヤーを開発するのです。ただし事故率はジャンボ機より低くしなくてはなりません。


④無人ティルトローター機

 スピードや飛行距離はクワッドコプターの2倍です。積載量によっては、短い滑走路が必要とのことで、クワッドコプターのヘリポートより大型のヘリポートが必要かもしれません。
 ただ将来的にはクワッドコプターを淘汰する交通システムになるかもしれません。
 墜落ばかりしているオスプレイのせいでティルトローター自身に悪印象を持っている人もいるかもしれませんが、国産の安全なテイルトローターを開発するのです。
 技術的に進歩すれば安全なティルトローターも可能と考えます。
 東京から関東圏内がクワッドコプター、名古屋、新潟、仙台がティルトローター、大阪が新幹線、北海道、九州、沖縄、台湾、朝鮮半島、ロシアがジェット飛行艇、欧米が超音速陸上機、という棲み分けができるかもしれません。





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