ダウンサイジングをキーワードに、これまで何度も同じことを書いてきましたが、もう一度まとめます。これからの社会はこのようにしていくと望ましい、と思います。
なお、ここで意味するダウンザイジングとは、組織のヒト・モノ・カネを縮小する、という意味です。組織の従業員の数が減れば、人件費が浮くため予算が減ります。また授業員が働く建屋の数や大きさも縮小できます。建屋以外に機械などが減ります。そうなるとまた予算が減ります。
わかりやくす言えば、これまで大企業が担っていた産業を中小零細企業に、中小零細企業が担っていた産業を個人事業が担うということです。
さらにこれは消費者がこれまで不可能だった分野で自給自足ができるようになる、ということを意味します。
1.行政のダウンサイジング
東京一極集中を是正すべく、まず首都機能を福島あたりに移転すべきでしょう。
国家は防衛、警察、外交、諜報といった治安維持サービスのみ国が行い、他のほとんどのサービスを市町村などの基礎自治体に移行します。
税金の徴収の仕方も基礎自治体がまず大半の予算を受け取り、そこから国が徴収するというやり方がいいでしょう。
道や橋を作ったりする社会インフラはこの基礎自治体が行い、いわゆる箱物は極力減らします。
また産業はできるだけ民間に任せ、規制や助成は減らします。
都市国家のように、基礎自治体内で生活必需物資の高自給率を目指します。県の行政は原則不要ですが、市町村単独で生活必需物資が賄えない場合、近隣ブロック地域で生活必需物資を自給できるようにします。もちろん国全体での高自給率も重要です。
また市議会議員の当番制など、基礎自治体は直接民主制にします。当番制の市議会議員の主な役割は、何かを企画することでなく、政府から無駄な税金をとられないよう見張ることです。
2.マスコミのダウンサイジング
大手新聞社、地上波テレビ局、大手通信社を解体します。政府は広報発表するだけで、情報操作してはいけない、という法律を作るべきです。
ネット配信のよるオンデマンド、あるいはストリームの実況中継で、テレビ局、ラジオ局の全サービスが可能です。またブログを使えば新聞のサービスが可能です。マスコミは当面は地方新聞社や地方テレビ局が、将来的には個人事業者や零細企業の配信者、ブロガーが主流となります。
一方、ネット配信のインフラであるサーバーは行政が確保する必要があります。またグーグルマップ、ストリートビュー、グーグルアースなどの仕事は行政がやるべきでしょう。定点カメラ、人工衛星からのデータを公開して、実況で世界中の屋外の様子を公開すると便利です。
3.サービス業のダウンサイジング
娯楽、教養に関するサービス業を行政は優遇すべきではありません。
警察、医療、清掃・ゴミ処理以外、生活必需サービスといえるサービスはほとんどありません。たとえば行政が規制すると新しい”士業”が生まれることがあります。こういう規制は極力、避けるべきです。弁護士と行政書士、税理士、会計士は分けるべきでしょうか。
士業を産業として大きくすべきではありません。大切なのは”モノづくり”です。
飲食店もサービス業と考えるなら、全国チェーン展開する大企業を解体し、ファミレスほどの店舗面積を持つ家族・個人経営の飲食店を中心にすべきです。回転寿司では客席のパネルから注文をとり、ベルトコンベアーで寿司を運びます。このやり方でホール係の人数を減らせます。また厨房係も調理の機械化、ロボット化で、人数を減らせます。
つまり外食産業は家族・個人経営の店が主流になるべきです。
4.製造業のダウンサイジング
娯楽品、贅沢品の製造業を行政は優遇すべきではありません。
電機産業は半導体が大企業、家電などシステムメーカーが中小企業になります。また自動車のEV化により、自動車メーカー自体も中小企業になります。大手自動車メーカーの工場はこれらファブレスメーカーの下請けや、フレーム製造など、部材メーカーになります。
バブル時代、日本にビールメーカーは4社しかありませんでした。現在では発泡酒まで含めると数百社あります。電機メーカー、自動車メーカーといった経済の中核産業で同じことが起こるのです。
建設業はこれまで行政の箱物を建設していました。これからは国民向けに、”うさぎ小屋”でない大きさで、冬も寒くない外断熱方式の住居を中心に建設すべきです。
一極集中をやめれば、地代が安くなり、さらに国民は楽に住居を手に入れやすくなります。
マンションと戸建の両方が考えられます。戸建に関してはホームセンターでDIY関連製品を開発し、自作PCのように、素人が自分の家を建てられるようになると、上物の価格が下がります。
5.流通業(運輸以外)のダウンサイジング
商社や貿易会社はネット通販のおかげで最もダウンサイジングできる産業です。すでに変化が起きています。倉庫業は個人商店でも利用できる格安料金でフルフィルメント・サービスを提供すべきでしょう。自動車販売会社は特定のメーカーに縛られずマルチディーラーに。
スーパー・マーケットはセルフレジでレジ係の人数を削減、コンビニは店主の希望により、フランチャイズのではなく、オリジナルブランドの看板や商品を提供できまるのが望ましいです。
ショッピングセンターの建屋は行政が建て、上部にマンションを併設し、マンション入居者限定で店舗を格安で販売または賃貸するのはいかがでしょう。大手傘下のチェーン店舗でなく、シャッター街の個人商店がここに入るのです。
6.運輸のダウンサイジング
生活必需物資の国全体での自給率、さらには地方自治体での自給率が高まれば、物流は減ります。また在宅勤務や近距離勤務で通勤の人流も減ります。
またクワッドコプター、ティルトローター、VTOL、飛行艇などの新航空システムを使えば、既存の運輸システムはもちろん、運輸業全体のダウンザイジングの他、社会インフラの建設費、維持費が削減できます(直前の本ブログを参照)。
7.金融のダウンサイジング
各種産業がダウンサイジングするのに伴い。産業の中心がメガバンクである必要はありません。地域の信用金庫が普通の国民のメインバンクになるでしょう。上場する必要のない企業はできるだけ未上場にし、証券会社もダウンサイジングします。
8.非営利団体のダウンサイジング
宗教法人、学校法人、病院法人、第三セクターなどは、いずれもダウンサイジングすべきです。学校は通信教育にすれば建物が不要になります。病院は外科手術に必要な設備を完備するために、ある程度の建屋は必要でしょうが、通常の問診ならネットによる在宅医療でも可能ではないでしょうか。
宗教法人は最も危険です。これまである種の宗教法人は非課税特権を利用して麻薬シンジケートのマネーロンダリング用地下銀行として利用されていました。政治を動かすほどの資金力を持った宗教団体は解体・縮小すべきでしょう。
第三セクターは①縮小・閉鎖する、②役所と一体化する、③国から基礎自治体の管轄にする、などの措置でダウンザイジングすべきでしょう。
これらの法人は一般企業と同じ税率で課税すべきです。
暴力団など非合法組織は解体し、諜報活動の下請民間企業にすべきでしょう。またパチンコや風俗などの娯楽産業や、脱法ドラッグの一部を合法にして製薬メーカーにすべきでしょう。
10.スポーツ娯楽産業のダウンザイジング
公営ギャンブルは廃止。音楽や映画はアマチュアが簡単に創作できるツールが発達し、相対的にプロが衰退します。プロスポーツもスポンサーとなる大企業がなくなり、衰退します。インディー団体のプロレスのような、小規模な興業がメインとなるでしょう。
11.農林水産業のダウンサイジング
転売でなく、一部または全部が自給自作の兼業農家を増やし、国民の平均的なライフスタイルとします。生活費は自営の個人事業もしくは、週2~3日程度、会社で働いて稼ぎます。通勤地は自宅近郊か在宅勤務で、通勤地獄はありません。
水産業では、国が国際社会に働きかけ、捕鯨をもう一度盛んにします。
2014年3月8日土曜日
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